確定申告はお早めに
確定申告お済みですか? 不況で厳しいのは皆同じです。納税は国民の義務ですから、歯を食いしばって申告と納税をしていきましょう。
……とここまで言っておいて、昨年来の民主党幹部による政治と金の問題は、国民の納税意識に水を差す事件だったと思います。そこで今回は、税金の三原則についてまとめておきましょう。
[税の三原則]
●公平の原則……特定の人が有利になったり、不利になったりしない公平な課税でなくてはならないと言う原則です。公平には、垂直的公平と水平的公平の二つの考え方があります。
1.垂直的公平
大きな経済力を持つ人は、より多く税金を負担すべきだという考え方。(所得税、相続税、住民税など)
2.水平的公平
経済力に関係なく、支払い能力がある者は等しい金額を負担すべきだという考え方。(消費税など)
●中立の原則……税制で特定の個人や企業に対して特に重い負担を求めたり、減免したりすることを極力避け、民間の経済活動に対して中立を保つべきだとする原則です。
●簡素の原則……誰にでもよくわかり、また経費がかからない方法で徴収されなくてはならないとする原則です。
税制は社会システムの根幹をなす重要な制度ですが、国民の誰もが税制に対し高い関心を寄せているとは言い難い状況です。特に首相と与党幹事長の政治資金問題は著しく税意識の低い事件であったことは確かでしょう。彼らを反面教師として、私たちはしっかりとした納税義務を果そうではありませんか。
消費税のこれまでの流れ
もう2月になりました。もう2週間もすると、今年も確定申告スタートです。消費税の計算は大変ですが、間違いのないようにきちんと申告しましょう。
さて、今回は確定申告前ということで「消費税とは?」という原理原則に戻ってみようと思います。消費税の原則課税についてもう一度確認します。
『消費税』は日常生活のいたるところで見られる消費者にとってもっとも身近な税金です。国内で行われるほとんどの取引(商品販売、サービスの提供等)に対して(原則的に)課税、納められた税金の使い道は特に決まっていない普通税に分類される税金です。消費税が創設されたのは昭和63年(1988年)12月の自民党竹下内閣の時で、翌平成元年(1989年)4月1日から実施されました。当初の消費税率は3% で、平成9年(1997年)4月1日より税率5%(消費税4%+地方消費税1%)へ引き上げられました。
消費税は(原則的に)国内ほとんど全ての取引(商品販売、サービスの提供等)に対して課税されますが、以下の取引は非課税となります。
◆不動産取引における土地部分(※ 建物部分に関しては課税対象)
◆金融取引(債券、株式等の譲渡等)
◆資本取引
◆社会医療保険
◆教育関連事業
◆郵便切手(印紙含む)
◆商品券、プリペイドカ-ドなどの取引
◆社会福祉事業
◆埋葬料 など
原則的に消費税は全ての取引に課税される税金ですが、非課税取引、免税事業者、など特例も多々あります。原則は原則として守らなければなりませんが、特例なども知ることによって節税も可能ですから、しっかり消費税の原則課税を勉強していきましょう。
消費税の原則課税と簡易課税
消費税の原則課税は、売上に伴って預った消費税から実際に仕入や経費に伴って支払った消費税を差し引いた残額を納税するという仕組みです。それに対して『簡易課税方式』は中小企業の事務負担を軽減するため、売上に伴って預った消費税を基に納税額を計算するという仕組みです。
原則課税方式の場合は、預った消費税から支払った消費税との差額を納税するので損得はありませんが、簡易課税方式の場合は預った消費税を基に納税額を計算するので益税問題が生じることもあります。また、原則課税方式は預った消費税より支払った消費税のほうが多ければ還付を受けることができますが、簡易課税方式は預った消費税の一定額を支払った消費税とみなすため還付はありません。
[原則課税] (課税売上高 × 5%) - (課税仕入高 × 5%)
[簡易課税] (課税売上高 × 5%) - (課税売上高 × 5% × みなし仕入率)
[みなし仕入率]
第1種業種 卸売業で90%
第2種業種 小売業で80%
第3種業種 製造業などで70%
第4種業種 その他の事業で60%
第5種業種 サービス業などで50%
2年前の事業年度の課税売上高が1,000万円を超えると『課税事業者』となります。
(※ 資本金1,000万円以上で設立した法人については第1期目から課税事業者となります)
2年前の事業年度の課税売上高が5,000万円以下の場合には、原則課税か簡易課税かを選択可能となります。簡易課税を選択する場合には、事業年度の始めに所轄の税務署に『消費税簡易課税制度選択届出書』を提出しておく必要があります。
課税売上割合
消費税の原則課税で節税をしっかりとやっていこうと考えた場合、重要になるのが「課税売上割合」という考え方です。消費税の原則課税における課税売上割合というのは、総売上高に占める課税売上高の割合のことです。この割合が95%を切ると消費税の計算方法が変わり、納税額が多くなるのです。
課税売上割合95%未満となる非課税売上が多い会社は課税仕入の一部が、仕入税額控除の対象にならなくなり、消費税の計算方法が変わります。この場合の計算方法は2種類あります。
「個別対応方式」
課税仕入を「課税売上にのみ対応するもの」、「非課税売上にのみ対応するもの」、「両方に共通して対応するもの」に区分し、このうち「非課税売上にのみ対応するもの」は、仕入税額控除の対象からはずさなければなりません。「両方に共通して対応するもの」については、課税売上割合に相当する部分だけが控除対象となります。
「一括比例配分方式」
上記の区分ができない場合等に採用する方法で、課税仕入全額のうち、課税売上割合に相当する部分しか控除対象になりません。
総売上高に占める課税売上割合が95%未満になると、上記のように消費税の計算が複雑になり、結果として納税額も増えてしまいます。対応策としては、売上の仕組みを変えて課税売上割合を95%以上にするか、課税売上割合を95%以上にできない場合には、課税仕入をできる限り細かく区分して、有利な計算方法を選択することです。
消費税の原則課税の基本の「キ」
消費税の原則課税と簡易課税方式について簡単にまとめてみたいと思います。
消費税の納税額を計算する際には、「原則課税方式」と「簡易課税方式」があります。会計基準期間の売上高が5,000万円以上の事業所では、簡易課税方式を選択することはできません。課税売上高が5,000万円以下の中小事業者の場合、原則課税方式と簡易課税方式を選択することができます。
消費税の納税額の計算方法は原則として、「{(預かった消費税)-(支払った消費税)}×税率」となります。しかし、従業員の少ない中小の事業所で、売上げの内訳を課税対象取引と課税対象外取引とに分けて計算して納付税額を計算するという作業が大きな負担となるため、事務負担を軽減する目的で簡易課税方式が導入されることになったという経緯があります。
消費税の簡易課税方式は、計算のベースとなる「預った消費税」の金額は原則課税方式と同様ですが、「支払った消費税」は一切計算しないで、「預った消費税」に一定の法定「みなし仕入率」を掛けて納税額を計算する課税方式です。この簡易課税方式は 「預った消費税」のみを集計すれば納付税額を計算できるので、原則課税方式に比べて事務負担の少ない課税方式です。
中小事業者が、原則課税方式か簡易課税方式は原則課税方式と簡易課税方式で計算した場合を比べて「金額の少ない」ほうを選択できます。当初の簡易課税方式の導入目的は「中小事業者の事務負担軽減」にあったのですが、現在では税額負担の軽減(節税)の方法としても利用されているのです。
租税の基本原則
今回はアカデミックに、租税の基本原則についてみていきましょう。
<納税の義務>
「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」と憲法では規定されています。
<租税法律主義>
租税は、民間の富(利益)を強制的に国家が吸い上げるものなので、租税には必ず法律の根拠が必要とする原則です。この原則が歴史上初めて出現したのは、13世紀のイギリスです。近代に入って租税・課税に関することは、「国民」の代表となる議会が制定した法律の根拠に基づくべしとする基本原則、すなわち租税法律主義が生まれました。現代では、ほとんどの民主国家で租税法律主義が原理とされています。
<租税公平主義>
租税は各人の担税力(租税負担能力)に応じて公平に負担されるべきという原則と、租税に関して全ての国民は平等に扱われるべきだという原則の2つの原則から構成されます。
<税の三原則>
「公平」・「中立」・「簡素」が税の三原則と呼ばれるものですが、それぞれ簡単にご紹介しましょう。
◆公平の原則・・・同様の経済活動に対しては同様に課税すべきという原則
◆中立の原則・・・税制が経済活動に影響を与えないようにすべきという原則(※ 財政の負担を通じて経済社会に対して何らかの影響を及ぼす事は避けられないが、個人、企業の経済活動においての自由な選択を阻害しないようにするという原則。)
◆簡素の原則・・・理解しやすく、また徴税・納税事務に係る費用が少ない税制にすべきという原則(※ 納税のシステムが難解で費用がかかって納税者に大きな負担を強いることがないようにしなけらばならないという原則。)
簡易課税の「みなし仕入率」
消費税の原則課税方式について学んできましたが、原則課税方式は事業所の負担が大きく、年間売り上げが1,000万円を超える程度の個人事業者では原則、難しいと言うのが現状です。
簡易課税方式から原則課税方式へ移すために、税理士にお願いしても節税分を税理士費用に充てても不足が出てしまうのです。原則課税方式は、実質的に個人事業者では難しいと言わざるおえません。
そこで、簡易課税方式を採用するのが一般的になるのですが、今回は簡易課税方式の「みなし税率」についてまとめていきましょう。
簡単に簡易課税方式の計算方法をおさらいしておきましょう。簡易課税方式は、預かった消費税に一定率(みなし仕入率)をかけて算出した額を支払った消費税とみなして計算します。
『課税売上高×5%-(課税売上高×5%)×みなし仕入率』
<みなし仕入率>
第一種事業 卸売業 90%
第二種事業 小売業 80%
第三種事業 製造業・建設業・農業等 70%
第四種事業 その他の事業(飲食店業・金融保険業) 60%
第五種事業 不動産業・運輸通信業・サービス業(飲食店業を除く) 50%
基本となる金額の「課税売上高」は原則課税方式と同様の計算になりますが、そこから差し引く「支払った消費税」は一切計算せず、その代わりに「課税売上高」に一定の法定みなし仕入率を掛けて「支払った消費税」を算出して、簡便的に納税額を計算する方式です。この簡易課税方式は 「課税売上高」のみを集計すれば納付税額を計算できるので、原則課税方式より事務負担の少ない方式です。
原則課税方式と簡易課税方式の比較
消費税の納税について基準期間の課税売上高が5千万円以下であるならば、消費税額を原則課税方式と簡易課税方式で比べて「金額の少ない」ほうを選択できるということに原則的になっているという件について、もう少し詳しくご紹介していきましょう。原則課税と簡易課税のどちらかお得なほうを選ぶことが可能ならば、原則課税と簡易課税では実際のところどれくらいお得なのか・・・。
例として挙げると、サービス業の場合は、簡易課税の「みなし仕入率」は50%です。これは預った消費税のうちの半分を支払った消費税とみなして、残りの半分を納税するということになります。
この事業者の給与総額が売上の60%を占めているとすると、給与は消費税については非課税取引ですので、残りの40%の中に支払った消費税が含まれていることになります。ここで消費税を原則課税で納税額の計算をすれば、「預った消費税」から控除できる「支払った消費税」は4割以下の金額になります。簡易課税では半分を「支払った消費税」とみなすことができるので、このケースは簡易課税を選択したほうがお得となります。
では原則課税はどういったときにお得になるのでしょうか?
次の例として、事業者が大がかりな設備投資をしようとした場合を考えて見ましょう。建物の建設や機械等の購入の際には、莫大な消費税がかかります。このようなケースでは、原則課税で計算すれば消費税が還付になる場合でも、仮に簡易課税を選択している場合、預かった消費税だけが計算対象になりますので、還付は受けられないということもありえます。
このように原則課税と簡易課税では、ケースバイケースでお得になる場合があります。
消費税の原則課税と簡易課税のキソ
これまでご紹介してきたように「消費税」には原則課税方式と簡易課税方式があります。
原則的には「原則課税方式」のみでも、問題ないのですが、前回まで説明してきたように消費税には、「不課税取引」「非課税取引」「免税取引」が存在し、原則的に計算すると消費税の計算が煩雑で大変になってしまうのです。
その消費税の原則課税方式を社員の少ない事業所に適用すると、かなりの負担になってしまうため「簡易課税方式」が用意されたという原則的な流れがあります。それ故、売上高の大きな事業所では、簡易課税方式を選択することはできません。基準期間の課税売上高が5千万以下の中小事業者の場合、原則課税方式と簡易課税方式を選択することが可能になっています。
消費税の計算方法は原則として、『{(預かった消費税)-(支払った消費税)}×税率』となります。
(※ 原則的に言うと売上と仕入の差額に5%をかけた金額。)
ここで「簡易課税方式」のほうも簡単に説明しておきます。
ベースとなる「預った消費税」は原則課税方式と同様の計算ですが、「支払った消費税」のほうは原則的には一切計算せず、その代わりに「預った消費税」に「法定みなし仕入率」を掛けて「支払った消費税」を算出、納税額を計算する方式です。つまり、原則課税方式より事務負担の少ない方式です。
こうして計算した消費税額を原則課税方式と簡易課税方式で比べて「金額の少ない」ほうを選択できるということに原則的になっています。
消費税の仕組③
消費税の基本を知るために消費税の仕組みを勉強する3回目です。
今回は、消費税がかからない取引の「不課税取引」「非課税取引」「免税取引」について詳しくご紹介していきましょう。
<不課税取引>
「不課税取引」の原則的な考え方は、取引の性質から言ってそもそも消費税を課す対象とならないものをいいます。不課税取引かどうかを判断するには幾つかのポイントがあります。
(1.)国内取引かどうか
例えば、日本人が海外で商品を購入した場合でも、日本の消費税が取られるということはありません。日本の消費税は、当然ながら国内取引に対してしかかけられません。
(※ 国際電話、国際運輸など国内~海外に渡って行われる取引は国内取引となります。)
(2.)対価を得る取引かどうか
無償提供や贈与など対価がない取引には課税されません。取引の判定は「名目」ではなく実際の取引の内容で判断しますので、迷ったときにはこの「対価性」を考える必要があります。
<非課税取引>
取引の性格上消費税を課税するのが好ましくない取引や、政策的見地から消費税を課税しないこととしている取引のことを非課税取引といいます。
(※ 本来は消費税を課す対象となる取引を「課税しない」としているので、非課税取引は法律で定められています。 ex.土地の譲渡及び貸付、学校教育関係など)
<免税取引>
例えば国内の資産の譲渡等であっても、輸出品のように実際の消費地が国外であるようなケースは、消費税を免除する場合があります。こうした取引を免税取引と言います。
(※ 「免税取引」は課税取引だけれども税率が「0%」である取引と考えますので、輸出前に日本国内で消費したというような場合には消費税5%が課税されることになります。)