消費税の歴史
参議院選を間近に控え、各政党の主義主張が明確になりつつあります。政権与党の民主党が参議院の過半数を確保できるかどうかが注目されますが、にわかに話題となっている消費税増税論議からも目が離せません。菅新総理の所信表明演説で突如明言された”消費税10%”という文言が一人歩きを始めたという状況です。
しかし増税分は、福祉、介護、財政再建に充てると言っている消費税。そもそもどういった経緯で導入されたかの歴史を知らないといけませんね。
[消費税の歴史]
消費税は一般消費者にとってとても身近な税金です。国内で行われるほとんどの取引に対して(原則的に)課税、納められた税金の使い道は特に決まっていない普通税に分類される税金です。
消費税が創設されたのは昭和63年(1988年)12月の自民党竹下内閣の時で、翌平成元年(1989年)4月1日から実施されました。当初の消費税率は3% でしたが、平成9年(1997年)4月1日より税率5%(消費税4%+地方消費税1%)へ引き上げられました。
消費税を導入するために当時うたわれたお題目は『高齢化福祉対策の為』だったとご記憶の方はいらっしゃいますか?
消費税はそもそも福祉に充てるためという理由で導入されたわけですから、今さら増税分は福祉、介護に充てると言われてもにわかには信じられませんね。今まで一般財源化されてしまっていたという経緯、福祉や介護分野にどのように使われてきたのかという説明がなければ消費税増税論議に移るわけにはいきません。
消費税の原則課税の問題
消費税は生活に密着した税です。毎日の買い物、商売、取引に消費税が関わってきます。
その消費税にはこれまでご紹介してきたように『原則課税方式』と『簡易課税方式』があります。原則的には「原則課税方式」のみでも、問題ないのですが、消費税には、「不課税取引」、「非課税取引」、「免税取引」が存在し、原則課税方式だけでは消費税の計算が煩雑で大変になってしまうのです。
何事も煩雑な手続きというのは間違いの元です。そして”税の三原則”の一つに「簡素の原則」というものがあります。
『簡素の原則……誰にでもよくわかり、また経費がかからない方法で徴収されなくてはならないとする原則』
税金は誰にでもよく理解できて、経費がかからない方法で徴収されなければならないという原則に照らし合わせると、課税取引、不課税取引、非課税取引、免税取引と種類も多く、原則課税方式では計算するのにも手間と経費がかかってしまうのは問題アリと言わざるをえません。納税が複雑だと税務調査で問題指摘されるケースも増えますしね。
そこで、消費税の原則課税方式を中小零細企業にまで適用すると、かなりの負担になってしまうため「簡易課税方式」が用意されたという原則的な流れがあります。消費税の簡易課税方式は計算しやすくし、消費税納税をしやすくするという狙いがあるわけです。
納税は国民の義務であり、面倒くさいから納税しないということは許されません。しかし、納税するために事業を行っている人が本業を疎かにしなければならないとなれば、それはシステムに問題があります。
消費税の滞納!?
消費税はモノやサービスを購入した場合にかかる税金です。現在、商品価格には消費税込み価格を表示することが義務付けられていますので支払いの際に消費税を支払うのを忘れたという状況はほとんどありません。
[消費税の滞納とは?]
消費税を滞納するのは、消費者ではなく消費者から消費税を預かっている小売業者や企業なのです。消費者から預かった消費税が国庫に納められずに流用されてしまっているという状況がとても多いとのことです。
国税庁から発表された平成20年度租税滞納状況によると、平成20年度の消費税の新規発生滞納額は4,118億円となっています。全税目の新規発生滞納額が8,988億円となっていますから、新規発生滞納額の実に約46%が消費税の滞納ということになります!
<参考ページ>『国税庁~平成20年度租税滞納状況について』
こうした消費税の滞納が多いのにはワケがあります。
消費税は年間売上が1,000万以上の個人事業者も課税業者として消費税を取ることができます。つまり、年間の売上げが1,000万円だった場合、その5%の50万円の消費税を徴収して(預かって)いることになります。しかし、資金繰りがうまくいっていない事業者が銀行からの融資を受けられず、その預かった消費税を次の仕事のために使ってしまうというケースが後を絶たないのです。
こうした状況は看過出来ないわけですが、何せ滞納件数が非常に多いため税務署がいちいちすべて細かくチェックし、きちんと納めさせるのが難しいのです。
消費税のこれまでの流れ
もう2月になりました。もう2週間もすると、今年も確定申告スタートです。消費税の計算は大変ですが、間違いのないようにきちんと申告しましょう。
さて、今回は確定申告前ということで「消費税とは?」という原理原則に戻ってみようと思います。消費税の原則課税についてもう一度確認します。
『消費税』は日常生活のいたるところで見られる消費者にとってもっとも身近な税金です。国内で行われるほとんどの取引(商品販売、サービスの提供等)に対して(原則的に)課税、納められた税金の使い道は特に決まっていない普通税に分類される税金です。消費税が創設されたのは昭和63年(1988年)12月の自民党竹下内閣の時で、翌平成元年(1989年)4月1日から実施されました。当初の消費税率は3% で、平成9年(1997年)4月1日より税率5%(消費税4%+地方消費税1%)へ引き上げられました。
消費税は(原則的に)国内ほとんど全ての取引(商品販売、サービスの提供等)に対して課税されますが、以下の取引は非課税となります。
◆不動産取引における土地部分(※ 建物部分に関しては課税対象)
◆金融取引(債券、株式等の譲渡等)
◆資本取引
◆社会医療保険
◆教育関連事業
◆郵便切手(印紙含む)
◆商品券、プリペイドカ-ドなどの取引
◆社会福祉事業
◆埋葬料 など
原則的に消費税は全ての取引に課税される税金ですが、非課税取引、免税事業者、など特例も多々あります。原則は原則として守らなければなりませんが、特例なども知ることによって節税も可能ですから、しっかり消費税の原則課税を勉強していきましょう。
消費税の原則課税の基本の「キ」
消費税の原則課税と簡易課税方式について簡単にまとめてみたいと思います。
消費税の納税額を計算する際には、「原則課税方式」と「簡易課税方式」があります。会計基準期間の売上高が5,000万円以上の事業所では、簡易課税方式を選択することはできません。課税売上高が5,000万円以下の中小事業者の場合、原則課税方式と簡易課税方式を選択することができます。
消費税の納税額の計算方法は原則として、「{(預かった消費税)-(支払った消費税)}×税率」となります。しかし、従業員の少ない中小の事業所で、売上げの内訳を課税対象取引と課税対象外取引とに分けて計算して納付税額を計算するという作業が大きな負担となるため、事務負担を軽減する目的で簡易課税方式が導入されることになったという経緯があります。
消費税の簡易課税方式は、計算のベースとなる「預った消費税」の金額は原則課税方式と同様ですが、「支払った消費税」は一切計算しないで、「預った消費税」に一定の法定「みなし仕入率」を掛けて納税額を計算する課税方式です。この簡易課税方式は 「預った消費税」のみを集計すれば納付税額を計算できるので、原則課税方式に比べて事務負担の少ない課税方式です。
中小事業者が、原則課税方式か簡易課税方式は原則課税方式と簡易課税方式で計算した場合を比べて「金額の少ない」ほうを選択できます。当初の簡易課税方式の導入目的は「中小事業者の事務負担軽減」にあったのですが、現在では税額負担の軽減(節税)の方法としても利用されているのです。
消費税の仕組③
消費税の基本を知るために消費税の仕組みを勉強する3回目です。
今回は、消費税がかからない取引の「不課税取引」「非課税取引」「免税取引」について詳しくご紹介していきましょう。
<不課税取引>
「不課税取引」の原則的な考え方は、取引の性質から言ってそもそも消費税を課す対象とならないものをいいます。不課税取引かどうかを判断するには幾つかのポイントがあります。
(1.)国内取引かどうか
例えば、日本人が海外で商品を購入した場合でも、日本の消費税が取られるということはありません。日本の消費税は、当然ながら国内取引に対してしかかけられません。
(※ 国際電話、国際運輸など国内~海外に渡って行われる取引は国内取引となります。)
(2.)対価を得る取引かどうか
無償提供や贈与など対価がない取引には課税されません。取引の判定は「名目」ではなく実際の取引の内容で判断しますので、迷ったときにはこの「対価性」を考える必要があります。
<非課税取引>
取引の性格上消費税を課税するのが好ましくない取引や、政策的見地から消費税を課税しないこととしている取引のことを非課税取引といいます。
(※ 本来は消費税を課す対象となる取引を「課税しない」としているので、非課税取引は法律で定められています。 ex.土地の譲渡及び貸付、学校教育関係など)
<免税取引>
例えば国内の資産の譲渡等であっても、輸出品のように実際の消費地が国外であるようなケースは、消費税を免除する場合があります。こうした取引を免税取引と言います。
(※ 「免税取引」は課税取引だけれども税率が「0%」である取引と考えますので、輸出前に日本国内で消費したというような場合には消費税5%が課税されることになります。)
消費税の仕組②
前回より「消費税」の仕組みについてご紹介しています。消費税の基本を学ぶことによって税務に関する理解を深めてくつもりです。
今回ご紹介するのは消費税の税率の仕組他です。
小学生でも知っている「消費税5%」という税率ですが、原則的に言うと「消費税が5%」というのは正確ではありません。
法律上の規定では国税部分が4%、その国税部分の税額の25%(4分の1)が地方消費税として上乗せされています。
つまり国税4%と地方税(4%×25%=1%)の合計が「消費税5%」の内訳なのです。
このことから、国税部分の4%が増えると地方税分の消費税も上がるということになります。国税が倍の8%になって、地方税が1%のままということは現行の法律上は有り得ない事になります。
例えば国税部分の消費税が8%になった場合には、8%×25%=2%が地方消費税分となり、合計の10%が実際の消費税ということになります。
こうした「消費税」は、原則的にはモノやサービスを消費したときにかかる税金です。しかし、全ての消費(取引)に一様にかかるわけではありません。
定義から外れたり、一定の事例に該当すれば消費税がかからない場合も多々あって、消費税がかからない取引には「不課税取引」「非課税取引」「免税取引」の3種類があり、この3種類以外の取引を「課税取引」と呼びます。
消費税5%が課税されるのはこの「課税取引」だけということになります。
次回はこの「不課税取引」「非課税取引」「免税取引」についてもう少し詳しくご紹介していきましょう。
消費税の仕組①
4月になりました。事業者の多くは昨日から新年度というところも多いと思います。昨年来不況が続いており、どこも厳しいと思いますが新年度に変わったことですし、心機一転頑張っていこうではありませんか。
ということで、今回からは基本に立ち返って「消費税」の仕組みについて複数回にわたってご紹介していきたいと思います。基本を学ぶことによって税務に関する理解を深めていこうではありませんか。
「消費税」とはモノやサービスを「消費」したときにかかる税金のことで、いわゆる代表的な「間接税」です。この間接税とは税金を「支払う人」と「(国や地方自治体に)納める人」が異なる税金のことをいいます。消費税の場合には、消費税を支払うのはモノやサービスを「消費」する消費者(一般の方)ですが、消費税を納めるのは消費者から税金を預った事業者(お店など)です。
例えると、スーパーで買い物をすればレジで購入代金と一緒に消費税も一緒に支払います。法人税や所得税のように税務署に支払うのではなくスーパーに支払っているということです。スーパーは消費者から「預った消費税」を後日まとめて税務署に納めるということになります。
消費者はレジで提示された代金を支払えば税額も一緒に支払ったことになりますが、その消費税を預った事業者(お店)は一体お客さんから幾ら預かったのか、後日納税する金額はいくらになるのかをきちんと把握しなければなりません。今後詳しく消費税の基本的な仕組みを一緒にみていきましょう。
次回は「消費税の税率など」について詳細にごしょうかいしていきたいと思います。
消費税の基礎
前回に引き続いて「消費税」の原則、基礎知識について学んでいきましょう。前回もご紹介しましたが、消費税が課税されるか、されないかは法令で決められていますが、課税されない取引もあり、それは「非課税取引」と「免税取引」に大別されます。
<消費されないもの>土地など
<消費とは言えないもの>給与、貸付利息、保険料、前売りチケット(料金の前払いで、お金の代わりです)
<政策的に非課税としたもの>住宅家賃(但し、営業用物件の家賃は課税対象)
消費税は「対外取引」で発生するもので、現金を預金口座に入金したとか、決算で減価償却費を計上したとかの場合は、消費税の対象外となります。また、一定要件を満たす輸出は免税取引で、本来は課税取引なのですが、課税が免除されています。
課税取引をする場合、売上・サービスの提供に伴って発生する消費税は事業者の「預り分」になります。仕入・経費の支払、資産購入に伴って発生する消費税は事業者の「支払分」になります。原則として、「預り分」の消費税額から「支払分」の消費税額を差し引いた金額が、納めるべき消費税額になります。消費税の計算は損益計算ではなく、差額の計算です。
「支払分」については「仮払消費税」、「預り分」については「預り消費税」又は「仮受消費税」と呼ぶのが一般的ですが、消費税の申告書では「預り分」を「消費税額」、「支払分」を「控除税額」といいます。
消費税額の計算の<「預り消費税」-「仮払消費税」>のうち、<-「仮払消費税」>の部分を実際の金額で計算する方法を、「原則課税」といい、これに代えて、売上額(収益額)の『一定比率』で計算する方法を「簡易課税」と言います。